今月の主題 十二指腸潰瘍〔2〕
症例
粘膜下腫瘍を思わせた胃結核症の1例
中沢 三郎
1
,
小鳥 康彦
1
,
森 孝
2
,
小林 収
3
,
渡辺 元嗣
4
1名古屋大学青山内科
2市立半田病院内科
3市立半田病院外科
4渡辺病院
pp.227-231
発行日 1967年2月25日
Published Date 1967/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110471
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胃結核症は稀有な疾患とされ,その多くは肺結核屍の剖検の際に,または胃潰瘍や胃癌の診断のもとに手術をうけて始めて発見されているようであるが,われわれは最近胃粘膜下腫瘍の疑診の下に開腹し,病理組織学的に胃結核であることを知り得た一例を経験した.
症例
患者:松○み○え,46歳,女
主訴:軽度のるいそう
家族歴:特記すべきものなし
既往歴:約20年前妊娠腎および腹膜炎の疑で6カ月間治療を受けた.生来胃弱であったが二年前胃透視にて胃下垂症を指摘されたのみである.
現病歴:本年四月頃より特記すべき自覚症状なく,るいそうおよび無月経が始まり微熱もあったので近医を訪れたところ胃X線にて胃腫瘍が疑わしいといわれて来院した.
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