今月の主題 胃微細病変の診断
綜説
微小な潰瘍性病変の内視鏡診断
上野 恒太郎
1
1東北大学医学部山形内科
pp.505-508
発行日 1967年4月25日
Published Date 1967/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110508
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胃切除を行なった症例について,胃粘膜の肉眼所見と,術前に行なった胃内視鏡検査の結果とを対比してみる機会は多い.その結果,正しくその部位の胃粘膜を観察したつもりでも,その実,切除胃でみると,微細な病変を見逃していたり,また,内視鏡的には如何にもSimpleな潰瘍性病変と見えたものが,切除胃では,意外にも周辺に広い瘢痕性変化や小潰瘍または糜爛を伴っていたりすることは,われわれが少なからず経験することである.
このようなことから,従来述べられてきた胃潰瘍の内視鏡診断とは別に,微小な潰瘍性病変に対する現在の内視鏡検査の診断の現状,とくにその存在診断の現状について考えてみたいと思う.
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