胃と腸ノート
International Advanced Course of Gastrointestinal Pathologyの紹介
中村 恭一
1
1筑波大学基礎医学系病理
pp.64
発行日 1986年1月25日
Published Date 1986/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110048
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1985年の8月26日より第3回目の“International Advanced Course of Gastrointestinal Pathology”が,約3か月の期間をもって日本で開催されました.
このcourseが行われるようになったきっかけは,次のようなことです.すなわち,毎年1回日本で“外国人医師のための早期胃癌診断セミナー”が,近藤台五郎先生,白壁彦夫先生の計画のもとに早期胃癌検診協会,JICAが主催,エーザイ後援で開催されていますが,今回は第17回目が行われました.このセミナーは臨床医を対象としたものであり,そのセミナー終了者も300人前後に及んでいます.そして,彼らは日本で修得した消化管診断学を自国で実践すると共にそれを広め,今や日本の消化管診断学は周知のように世界に普及しています.このような状況のもとで,いったん,消化管病理学分野に日を向けますと,彼らは自国で病理医と共同研究をしようとする,あるいは早期癌について討論する場合に,どうしても意見が噛み合わず,せっかく日本で学んだことを十分に活用することができないという状態が生じました.多くの病理医は早期胃癌を経験したことがないために,彼らが臨床的に発見した早期胃癌を癌とは診断しないというようなことが生じていたわけです.そこで,外国の病理医からは彼らと波長を合わせるためにも日本での消化管病理学セミナー開催の声が高まり,その要望に応えて第1回目のInternational Advanced Course of Gastrointestinal Pathologyを1983年秋に開催し,今回は第3回となりました.
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