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編集後記
中村 恭一
pp.1372
発行日 1981年12月25日
Published Date 1981/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108318
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Ⅱbの診断あるいはその定義は,病理組織学的な事に関する限りにおいてはあまり問題とはならない.しかし,それがX線・内視鏡診断ということになると大きな問題となってくる.すなわち,癌局面の僅かな変化をもとらえて癌を診断しようとする,いわば胃癌のX線・内視鏡診断学における極限の追求ということだからである.“Ⅱbの診断”という問題は,一般的には,それは不可能であると決めつけて,それとの挑戦を避けて通りがちである.
本号には,再びその問題に挑戦した結果が示されていて,多くの貴重な症例が呈示されている.それら論文に共通している点は,癌組織型によってⅡbとされる癌局面のわずかな変化の所見が異なっているということであろう.経験豊かな3人の先生による序説では,胃炎性変化の所見をより良い写像でもって解析することが“Ⅱbの診断”を可能にするのではないかと,示唆に富む“Ⅱbの診断”への道しるべが示されている.
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