胃と腸ノート
大腸全摘後の代償性回腸粘膜増殖
飯島 庸介
1
,
前谷 俊三
1
,
戸部 隆吉
1
1京都大学医学部第1外科
pp.998
発行日 1981年9月25日
Published Date 1981/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108182
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最近,潰瘍性大腸炎などの非特異性疾患が増加するに伴い,大腸全摘術を施行する機会も増えつつある.外科的手技の発達や病態生理の解明に伴う適切な術後管理によって,その成績も向上しているが,大量臓器欠損による機能障害,特に頑固な下痢症状には,なお悩まされることが多い.しかし,水分吸収能の増加などの小腸の大腸代償機能の充進によって,術後数ヵ月には下痢も軽快し,ここに小腸の大腸化が完成する.
現在,小腸切除を行うと,残存小腸で粘膜増殖が起こるという事実は,多数の報告で確認されており,更に大腸全摘後に,小腸粘膜が増殖するという報告もある.
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