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書評「セシル内科学 原書第14版」
阿部 正和
1
1東京慈恵会医科大学
pp.1484
発行日 1979年11月25日
Published Date 1979/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107821
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セシル内科学の日本語完訳書が刊行された.これは大変な仕事であったと思う.監訳者の小坂樹徳教授をはじめ翻訳に携わった多くの方々に心から敬意を表する次第である.訳書を手にしてみると,ずっしりと重く,充実感があふれている.そして中を繙くと活字がぎっしりとつまり圧迫感すら感じられる.その内容は既に世界的に定評のあるところで,ここに紹介する必要はあるまい.
本邦で愛読されている英米の内科書は,セシル,ハリソンおよびバーベイといってよかろう.それぞれに特色があるのはいうまでもない.セシルにはセシルのよさがある.今さらいうまでもなく内科各論の書としてはまず完壁といってよい.さらにまた,目次をみると章の配列に異色の点がある.第1章の医学の本質がトップにあるのは他の書でもみられるが,第2章が遺伝,第3章が疾患の環境因子となっている.そして次に,免疫疾患,膠原病,関節疾患,原因不明の肉芽腫性疾患となっている.それから先はわが国の多くの内科書の順序とほぼ同じといってよい.
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