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編集後記
武藤 徹一郎
pp.985
発行日 1979年7月25日
Published Date 1979/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107732
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微小胃癌が特集号として企画された時,診断学的な研究論文のほかに,微小癌を通して,胃癌の成り立ちを形態学のみならず背景因子をも加味した組織発生を論じた研究論文を加え,微小胃癌の問題点を浮き彫りにしたいという願いがあった.本号に掲載された論文を読むと,初めの意図はほぼ満たされていると思う.
微小癌とはminuteかmicroscopicallyかという議論もあったが,結局は5mm以下の大きさのものが論ぜられることになった.鎗田氏らはX線診断では存在診断であれば2~3mmのものまでなら可能性があるといっている.岡崎氏らは微小病変の発見には内視鏡のほうが有利であるとしながらも,従来の内視鏡検査そのものの発想を変えない限り微小胃癌診断の進歩はないと述べている.
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