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編集後記
武藤 徹一郎
pp.1050
発行日 1988年9月25日
Published Date 1988/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108604
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今月はいつもの「胃と腸」とは違って,主題論文のない気楽に読める1冊をお届けする.主題論文がなくともなかなか内容豊かな号になっていると思うがいかがであろう.近年,普及と需要の度が著しい大腸内視鏡検査法のコツとホンネを,各地のその道の“名人達”から引き出そうと座談会を企画した.各人から様々なコツは聞き出せたが,聞いたからといって,すぐにコツがわかってうまくなるほど簡単なものではなさそうである.“とにかく,やらなけりゃ上手にはならない”とは内視鏡検査に王道なしということか.ホンネをたくさん聞かせてもらえたのは大変面白く参考になったが,読者の中にも同感し,安心した方が少なくないと思う.US・CTに関する初心者講座も同様に大変参考になろう.
本号では,同じ範疇に属すると思われる直腸の隆起性病変が4例も提示されていて興味深い.時代と共に様々な名称が用いられ,一度文献に記載された名称は抹消されないため病名に関する混乱が絶えないが,疾病の本態だけは見失わないようにしたい.今後,形態のみならず直腸の運動生理を加味した検討が望まれる.
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