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編集後記
岡部 治弥
pp.700
発行日 1979年5月25日
Published Date 1979/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107685
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本号では『胃と腸』14巻を通じて初めての主題である血管病変をとりあげ,本誌愛読者の皆さんにお届けすることができるようになった.この主題を漸やくとりあげた経緯を少しく説明したい.消化管の機能と形態の変化の原因として血管病変が極めて重要であろうことは誰もが認識し,強い関心を抱くところであるが,この主題をとりあげるには如何にも大きすぎるテーマということで,なかなか実現に至らなかったものである,たまたま,昨秋岐阜の消化器三学会において,この主題がシンポジウムにとりあげられ,川井教授と小生がその司会をつとめた.多数の応募者により,すぐれた発表とディスカッションが行われたが,これは『胃と腸』の主題としてもとりあげるべき一時期ではないかということになり,本号が完成するに至った次第である.
今,各論文を読んでみると,主題の4論文はすべて中味の濃い,教示に富み,かつ今後の問題点を明瞭にくみとらせる,すぐれた論文である.さらに主題に関連した6本の症例報告は大変バラエティに富み,いずれも貴重な教示に富む好論文である.欲をいえば機能面に関しての論文がほしいということであろうか.臨床面ではこれは極めて困難な分野である.血管病変の診断に大変重要な診断分野である血管造影手技についても,精細な御執筆を一本いただいた.
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