--------------------
編集後記
岡部 治弥
pp.236
発行日 1984年2月25日
Published Date 1984/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106967
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
たまたま本号では,序説と編集後記とを共に筆者が記すことになった.序説では本号特集テーマの趣旨について説明した.そのテーマは,“上部消化管疾患のスクリーニング手段として,パンエンドスコピーはX線に代わりうるか”ということである.序説の中で筆者は“両検査法の限界についての本質的比較論はもちろん必要であるが(スクリーニング法として)両検査法に付随する二次的問題点についての考察が重要である,(したがって)簡単に結論が出せるであろうかと”記したが,今,全論文を読み終わって,この両面,すなわち両検査法それぞれの診断限界,および二次的問題点すなわちスクリーニング法としての利点欠点があますところなしに論じられていると思う.ただ精密検査法としての診断限界に重点を置いたもの,スクリーニング法としての意義に重点を置き,その長短を比較したものと,そのニュアンスにはそれぞれ多少の差異がみられる.しかし,それでかえって比較の素材はあますところなく提供されているとも言える.いずれにしても序説に紹介した米国での経済的比較論とは全くレベルの違うオーソドックスな議論がなされている.また,最後の幾人かのexpertsによる諸意見は,それぞれ立場に応じた考え方の特徴がよく出ており,傾聴すべき点が多い.読者諸子は熟読玩味して,1人1人がそれぞれの経験を基盤にして本誌の内容を参考として自分自身の答を出してほしいものである.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.