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書評「腹部外科手術」
長尾 房大
1
1東京慈恵会医科大学
pp.584
発行日 1976年5月25日
Published Date 1976/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107233
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この手術書は,Philippe Détrieの原著「Techniques Opératoires de l' Abdomen」が,Richard Preyer博士の手で英語版「Techniques in Abdominal Surgery」として出版され,また,今回石川教授,草間助教授が日本語版として出された国際的な出版物である.日本語訳は,原著に忠実,かつ,簡潔にして自然であり,しばしば経験する翻訳文の読みにくさを全く感じさせない.およそ,外科医のカンどころを捉えた名訳といえよう.また,理解を助けるためにところどころに,英訳者によるCommentとしての「註」が設けられ,それとは別に,石川教授,草間助教授による貴重なCommentが,「訳註」として付されている点も親切である.
図譜は,原本(英訳版)のものと全く同一で,複写したものではないのできわめて鮮明,文宇通りfull colourのもの176図,119頁にわたり外科医の眼でみた実感を盛りあげた簡素な中にも,味わいのあるユニークな手術書である.
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