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書評「腹部超音波診断」
幕内 雅敏
1
1国立がんセンター病院外科
pp.280
発行日 1986年3月25日
Published Date 1986/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110157
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腹部の超音波診断および治療は,装置の改良と相まって1970年代の後半に長足の進歩を遂げた.1980年代に入ると医院レベルにまで装置が普及し,これに呼応して超音波診断に関するセミナーが頻繁に開催され,解説書や入門書も数多く出版されてきた.しかし,残念ながらこれらの出版物のすべてが推奨に値するものばかりとは言い難い.執筆者の大部分が大学や研究施設の関係者であって,どうしてもそれぞれの専門に偏りがちでカバーできる範囲が限定されたり,症例数が少ないために不鮮明な画像の写真が多数使用されていたりする本も散見する.
本書の著者は,特に救急医療に重点を置く都立墨東病院に一般消化器内科医として長年勤務され,多数の症例に接して自ら超音波診断・内視鏡診断・血管造影を行い,これらを用いた治療にも取り組んでこられた.超音波診断については,1978年から本格的に始められ,1980年以来その研究成果を日本超音波学会でもしばしば発表しておられる.
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