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書評「胃X線読影の基本と実際」
丸山 雅一
1
1癌研究会付属病院内科
pp.959-960
発行日 1989年8月25日
Published Date 1989/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106548
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最近受け取った1通の手紙がこの書評を書き始めるきっかけを作ってくれた.差出人は,北米ノースキャロライナ(The Bowman Gray School of Medicine)のDavid Ott.彼は,ボスのDavid Gelfandと共に,消化管の二重造影法でその名を知られた男であり,これに関する多くの論文を発表している.彼らの二重造影法が極めて日本的であることもあって,私は,これまで,北米消化器放射線学会で顔を合わせる度に意見を交換してきた.今度の手紙も,彼らの二重造影法に賭ける情熱がほとばしるような内容のものである.
吉田・市川のこの本にOttの手紙を重ね合わせたとき,私は,二重造影法を世界に広めるために心血を注いだ市川を想い,そして,その市川が畢生の仕事として企んだ「第1回国際胃癌会議」が無念の延期を強いられるに至った経緯を思い出していた.
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