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書評「胃カメラ研修の実際」
岡部 治弥
1
1九州大学医学部第2内科
pp.970
発行日 1970年7月25日
Published Date 1970/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111373
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本書の内容は,大きく二つに分けて,検査法と診断の部よりなっており,診断の部の参考資料として,最初の63頁まで原色写真248枚とその簡潔な説明が付せられている.著者らによる本書のあとがきに,本書をあらわすについての目的が記されている.すなわち,患者の苦痛を最少にして,もっともよい診断ができる胃内視鏡検査に関する著者らの考えや工夫をわかりやすい形でかきたいということである.また序において,本書は国立がんセンター病院発足以来8年の間,多忙の診療,研究のかたわら,孜々として続けられてきた内外の諸学者に対する研修諸講義の集成であるとも記されている.
本書を監修された崎田博士は,その恩師である田坂博士や久留博士の序文にもあるように,胃カメラ改良に心血をそそいだ草分けの1人であり,東大第一内科八研から国立がんセンターに至るまでの10年に近い歳月を,胃カメラ診断学の開拓およびその普及に努めてこられた人であることは,江湖にあまねく知られているところである.それだけに今回同博士とそのスタッフによって完成した本書は,細心の注意のもとに懇切丁寧な説明がなされており,今から初めようと志す人にとって誠に有益な本であるといえる.
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