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書評「胃X線撮影技術の基礎と応用」
神保 勝一
1,2
1神保消化器内科医院
2日本医師会学術企画
pp.722
発行日 1995年4月25日
Published Date 1995/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105417
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上部消化管検査の方法には,X線による二重造影法と内視鏡検査がある.これらの2つの検査に軽重はなく,いずれも大切な検査である.この度,吉田裕司博士の書かれた「胃X線撮影技術の基礎と応用」は,優れたX線像を得るための,X線二重造影法の撮影技術の具体的方法について述べたもので,この本ほどわかりやすく記述されたものは珍しい.
著者は,胃X線診断の基本的考え方として,「胃X線診断の考え方と進め方」を出版し,読影法と鑑別診断については,「胃X線読影の基本と実際」を出版している。今回の著書は,いわばまとめであり,胃X線診断も読影も鑑別診断も,すべて優れた胃X線像あってのものであるとの立場で書き進められている.しかも,単なる技術・手技の記述にとどまらず,著者の努力の過程や繰り返し繰り返し反省する粘り強い心の葛藤までも余すことなく述べられている.この姿勢は読者に訴えるところが絶大であると思う.また,それゆえに本書が単なる技術指導書と異なる点である.
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