特集 炎症性腸疾患1997
主題
Ⅱ.治療
(2)外科的治療
福島 恒男
1
,
鬼頭 文彦
1
,
小尾 芳朗
1
,
石山 暁
1
,
松尾 恵五
1
,
杉田 昭
2
,
篠崎 大
3
,
藤井 義郎
1
,
山崎 安信
2
1横浜市民病院外科
2横浜市立大学医学部第2外科
3東京大学医学部第1外科
キーワード:
大腸全摘術
,
回腸囊肛門吻合術
,
狭窄形成術
,
seton法
Keyword:
大腸全摘術
,
回腸囊肛門吻合術
,
狭窄形成術
,
seton法
pp.389-395
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105072
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要旨 潰瘍性大腸炎(UC)の外科治療は重症(大出血,中毒性結腸拡張,穿孔),難治(ステロイドに対する副作用,効果不良,大量投与例),大腸癌合併,発育障害,腸管外合併症などに対して行われる.緊急手術では,救命を優先し,結腸全摘,回腸人工肛門造設が行われ,待機手術では,大腸粘膜を全摘し,肛門機能を温存する大腸全摘,回腸囊肛門吻合術が広く行われている.一方,Crohn病(CD)では,狭窄,閉塞,瘻孔,膿瘍,難治などが主な手術適応で,このほかに穿孔,大出血,発育障害,腸癌,肛門病変などに対して手術が行われる.病変部位の切除が原則であるが,小腸の狭窄には狭窄形成術(strictureplasty)が行われる.UC,CDともに原因不明の腸潰瘍を主体とする疾患であり,UCでは薬物療法で,CDではこれに加えて栄養療法で長期緩解を目指して治療が行われている.外科も治療の一端を担っており,両疾患について手術適応,手術時期,手術方法などについての考え方を述べたい.
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