特集 消化管ポリポーシス2000
ノート
結節性硬化症の消化管病変
檜沢 一興
1
,
飯田 三雄
2
,
松本 主之
3
1九州中央病院内科
2川崎医科大学内科消化器Ⅱ
3九州大学医学部光学医療診療部
キーワード:
消化管ポリポーシス
,
大腸ポリープ
,
過誤腫
,
遺伝性疾患
,
癌遺伝子
Keyword:
消化管ポリポーシス
,
大腸ポリープ
,
過誤腫
,
遺伝性疾患
,
癌遺伝子
pp.403-407
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104822
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要旨 結節性硬化症は常染色体優性の遺伝性疾患であり,全身に種々の過形成性・過誤腫性病変を呈する.直腸過誤腫性ポリポーシスは本症の約50~78%に出現し,重要な診断項目である.形態的には直腸に集簇して発生する5mm前後の光沢のある半球状隆起で,組織学的には粘膜の浮腫と間質の筋線維組織の増生を特徴とする.口腔,食道,胃,小腸にも過形成性・過誤腫性隆起性病変を生じうるが,軽微な所見で見逃される可能性がある.現在まで第9染色体上(TSC1)と第16染色体上(TSC2)に病因遺伝子が同定され,癌遺伝子としての機能解明が進められている.消化管癌との関連は不明だが,不全型の認識とともに今後の研究が期待される.
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