特集 消化管ポリポーシス2000
ノート
大腸の過形成性ポリポーシスと癌化
岩下 明徳
1
,
山田 豊
1
1福岡大学筑紫病院病理
キーワード:
大腸過形成性ポリポーシス
,
大腸びまん性過形成性結節
,
癌化
,
臨床病理像
Keyword:
大腸過形成性ポリポーシス
,
大腸びまん性過形成性結節
,
癌化
,
臨床病理像
pp.409-414
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104823
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要旨 大腸の過形成性ポリポーシス(hyperplastic polyposis;HP)とその関連疾患である大腸のびまん性過形成性結節(diffuse hyperplastic nodules;DHN)の臨床病理学的特徴,特にその癌化について,文献的考察を加えた.HPの文献報告32例中,同一ポリープ内に腺腫が共存するもの9例,癌が共存するもの3例,ポリープとは別に癌を合併するもの14例,腺腫を合併するもの8例などである.つまりHPは,腺腫や癌の共存ないし合併率(64.5%)が高く,通常の過形成性ポリープとは異なる性格を有することが示唆される.DHNの2例でも,多発性腺腫,癌,異型上皮,過形成性結節内腺腫と癌などが認められており,HPと同様の性格を有していることが推測される.以上のことから,HPおよびDHNはまれではあるが,腺腫や癌を発生するhigh risk群として,適切な臨床的対処が必要と思われる.
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