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大腸sm癌の取扱い―大腸癌研究会sm癌プロジェクトアンケート:病理報告を中心に
長廻 紘
1
,
藤盛 孝博
2
,
石黒 信吾
3
,
下田 忠和
4
,
岩下 明徳
5
,
加藤 洋
6
,
味岡 洋一
7
,
渡辺 英伸
8
,
武藤 徹一郎
9
1群馬県立がんセンター
2獨協医科大学病理学(人体分子)
3大阪府立成人病センター病理
4国立がんセンター中央病院臨床検査部
5福岡大学筑紫病院病理部
6癌研究会癌研究所病理
7新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・病態病理学分野
8新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野
9癌研究会附属病院
pp.1636-1638
発行日 2002年11月25日
Published Date 2002/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104602
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はじめに
大腸sm癌のリンパ節転移陽性率は約10%とされており,大半が内視鏡切除術や腹腔鏡下手術による局所治療により根治が可能である.しかし,現行の大腸癌取扱い規約に準拠すれば,多くの症例が,リンパ節転移がないにもかかわらず,リンパ節郭清を含めた外科的追加腸切除の適応と考えられてしまう.近年の内視鏡機器や手技の改良・進歩によって内視鏡治療の拡大が試みられている中で,いかなる症例にリンパ節郭清を伴う根治的切除術が必要であるかを判断するかは,患者の術後のQOLを考慮する面からも極めて重要であり,リンパ節転移のリスクを考慮した,さらに厳密な大腸sm癌の内視鏡治療後追加治療の適応条件が必要とされている.
大腸sm癌のリンパ節転移の重要なリスクファクターの1つに粘膜下層への浸潤度からみた大腸sm癌細分類が挙げられる.この浸潤度細分類には相対分類と絶対分類に大別されるが,各施設問でいまだに一致をみていないのが現状である.sm癌の深達度診断という点では,相対分類の有用性は本邦での歴史的背景をみると明らかであるが,今後の大腸sm癌に対する内視鏡治療の適応拡大を考慮すると,共通用語としての深達度診断という点では絶対分類が必要である.
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