特集 消化管悪性リンパ腫1998
ノート
臨床編
―Helicobacter pylori除菌療法をめぐるcontroversy―Helicobacter pylori陰性例に対する除菌療法の意義
中村 常哉
1
,
鈴木 隆史
1
,
松浦 昭
1
,
大橋 計彦
1
,
谷田部 恭
2
,
中村 栄男
2
1愛知県がんセンター消化器内科
2愛知県がんセンター臨床検査部病理
キーワード:
胃MALTリンパ腫
,
Helicobacter pylori陰性
,
除菌療法
Keyword:
胃MALTリンパ腫
,
Helicobacter pylori陰性
,
除菌療法
pp.493-495
発行日 1998年2月26日
Published Date 1998/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103627
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胃MALTリンパ腫とH. pylori
胃MALTリンパ腫におけるH. pyloriの存在頻度は92~98%とされている1)2).Wotherspoonら3)が,H. pyloriを除菌することにより胃MALTリンパ腫が退縮することを初めて報告して以来,胃MALTリンパ腫に対するH. pylori除菌療法の意義に関してはいくつかの報告4)があり,筆者らも既に報告している5).しかし,H. pylori陰性の胃ALTリンパ腫の特徴およびその取り扱いに関しては詳細な検討はなされていない.筆者らは1993年10月より胃MALTリンパ腫に対するH. pylori除菌療法を開始してから1997年8月現在までに23例の胃MALTリンパ腫を経験したが,このうち3例がH. pylori陰性例であり,更にこのうち2例が高悪性度病変を有する症例であった.このうち1例で除菌療法を実施し著明改善を認めたので呈示する.
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