今月の主題 Helicobacter pylori
話題
Helicobacter pyloriの除菌効果
樋口 晶子
1
,
齊藤 大三
2
Akiko HIGUCHI
1
,
Daizo SAITO
2
1国立がんセンター中央病院臨床検査部
2国立がんセンター中央病院臨床検査部細菌免疫検査室
キーワード:
H.pylori
,
除菌
,
胃疾患
Keyword:
H.pylori
,
除菌
,
胃疾患
pp.179-181
発行日 1997年2月15日
Published Date 1997/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903242
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1.はじめに
Helicobacter pylori(H.Pylori)の除菌方法は,数年来,種々の方法が工夫されてきている.ビスマス製剤,抗生物質,抗原虫剤,抗潰瘍剤またはプロトンポンプ阻害剤(PPI),による単独療法での除菌率は低く,ビスマス製剤と抗生物質1剤または2剤の併用,抗生物質と抗原虫剤との併用,PPIと抗生物質1剤または2剤の併用療法などが検討されてきた.しかし,2剤あるいは3剤の併用療法では高い除菌率が得られるものの副作用および耐性菌の出現などの課題がある.また,除菌判定についても日本消化器病学会・H.pylori治験検討委員会からガイドラインがすでに出版されているが,尿素呼気試験の導入についてはいまだ検討段階にある.さらに,わが国ではH.Pyloriの診断および除菌(治療)の両面において保険適用がなされていないなどの問題もある.このようにいくつかの問題点はあるが,本稿ではH.pylori除菌の有用性について列挙してみたい.
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