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書評「プラクティカルコロノスコピー 第2版」
多田 正大
1
1多田消化器クリニック
pp.220
発行日 2002年2月25日
Published Date 2002/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103436
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大腸内視鏡検査・治療に伴う合併症が増加している.4~5日に1回の割合でわが国のどこかの病院で,腸管穿孔が発生している(宇野良治.医器学67:289,1997)とのことであるが,穿孔まで至らないにせよ,女性患者は検査中の腹痛はお産よりも辛いと訴えることもまれでない.
このような苦痛多い検査を安全で普遍的なものに変革したいという一念で,colonoscopy名人として類まれな才能を有する岡本平次先生は1995年に労作「プラクティカルコロノスコピー」を刊行した.この書籍は挿入法についての系統的な記述書が少なかった時代にあって,初心者にとってはわかりやすい手引書として,ベテランにはShinya氏の提唱する一人操作法を理解するための指標として,多くのcolonoscopistに愛読されてきた.名人は自分の裏技を他人に伝授することを好まないものであるし,必ずしも教え上手であるとは限らない.しかし岡本名人は本書の中に裏技を余すところなく記載し,しかも理解しやすい文章であったことから,読者に大変好評であったと聞いている.
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