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書評「―白壁フォーラム―大腸疾患の診断」
多田 正大
1
1京都がん協会
pp.694
発行日 1996年5月25日
Published Date 1996/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104150
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白壁彦夫先生のご業績,人徳,人脈の大きさなどについては広く世の中に知れわたっており,今更触れる必要はあるまい.「胃と腸」でも一回忌にあたる第30巻13号において特集記事を組み,ご縁の深かった方々からお言葉を頂戴したばかりである.先生は大腸疾患にも情熱を燃やされ,若い学徒の先頭に立って,診断学の向上と普及,IBDの病態の解明のために,あえて旗手としての役割をかって出られた.その20年間の集大成がまさに本書である.それだけに研究会の重厚な歴史に圧倒され,先生への惜別の感慨を新たにしながら分厚い本書を通読した.
本書が刊行されるきっかけとなった大腸疾患研究会の生い立ちについては,西澤護先生の序文,中村恭一先生の“フォーラムの歴史”などの項に詳細に述べられている.白壁先生個人と白壁診断学への思いを込めた,卓越した内容の序文,追悼文であり,本書を一刻も早く世に出したいというフォーラム編集委員メンバーの熱い想いを感じとることができる.
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