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書評「臨床指導医ガイド」
西山 信一郎
1
1虎の門病院循環器センター内科
pp.204
発行日 2002年2月25日
Published Date 2002/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103431
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従来のわが国の卒後教育には一貫性がなく,特に大学病院では研究至上主義がまかり通り,またマンパワーの不足もあり卒後教育は片手間に行われ,研修医は単なる労働力,雑用係として扱われてきたのではなかろうか.また最近では専門医指向が強く,卒後直ちに自分の興味のある狭い範囲の専門分野の研究にのみ従事し,幅広い内科疾患全般に対応できない若手医師が増加していることも医療不信の原因の1つと考えられる.これらの反省からか,わが国でも2004年から卒後臨床研修の2年間の必修化が制定されたことは喜ばしいことと考えるが,必修化にあたっては,研修医の身分保障,給与の確保,研修内容,指導医の養成など多くの問題点を解決する必要があろう.
いずれにしろ卒後臨床研修の必修化はもう間近に迫ってきたわけであるが,指導する立場にある医師の心構えはできているであろうか.いざ指導医の立場に立っても,自分自身が受けてきた教育が悪ければ,今後研修医をどのように指導していけばよいのか見当もつかないというのが現状ではなかろうか.
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