書評
—岡本平次著—プラクティカルコロノスコピー—挿入手技から治療まで
武藤 徹一郎
1
1東京大学医学部第1外科
pp.177
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904033
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わが国における大腸疾患の増加は著しいスピードで進んでおり,減速の兆しはない.その予防もさることながら,各種疾患の早期診断・早期治療がますます重要になってきた.周知のごとく大腸疾患の診断法には注腸造影検査と大腸内視鏡検査があるが,従来は注腸→内視鏡の順序で検査が行われてきた.しかし,検査件数の著しい増加に伴い,より効果的な検査システムを確立することが必要になってきた.すなわち,注腸造影検査で異常があれば再度内視鏡検査を行うという二重検査の無駄を省いて,最初から大腸内視鏡検査を行うという方法である.その実現のためには,安全かつ確実に盲腸まで挿入する技術を持った内視鏡医の養成が急務であることはいうまでもない,本書の著者岡本平次氏は早くからその必要性を説き,自らそれを実証してきたわが国におけるコロノスコピストのパイオニアとしてつとに有名である.本書は氏自らの経験を通して,一人でも多くの大腸内視鏡検査のエキスパートを育て,社会のニーズに応えようという情熱から生まれた好著である.
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