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書評「内科レジデントマニュアル 第5版」
谷口 純一
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1熊本大学医学部附属病院総合診療部
pp.484
発行日 2001年2月26日
Published Date 2001/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103178
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毎年春になると新しい研修医がやってくるのであるが,彼ら・彼女らに接すると自分が研修医のころが思い出され,様々な気持ちが沸き起こってくる.必ずしも上級医がいつもバックアップしてくれるとは限らず,特に患者が急変・重症化したときこそそばにいなかったことが多かったかもしれない.別に“マーフィーの法則”などではなく,今思い返してみれば,ただ単に急変・重症化の早期サインを見落としていたり,予測が不十分であったり,また自分があわてていて連絡が後手に回っていただけということが多かったのではないかと,情けなくも恥ずかしい状況であったと思う.
そんなとき,そんな自分を一番現実的に助けてくれたのは,「内科レジデントマニュアル」であり,「ワシントン・マニュアル」であった.今回「内科レジデントマニュアル」が第5版に改訂されるにあたり,自分が研修医のころに使っていた旧第2版を久しぶりに引っぱり出し,比較してみた.たいへん驚いたことは,ベーシックでスタンダードな部分は何ら変わっていないこと,その一方で,そのほかの所は大幅に進化しており,新しい項目や知見も加わり,より実際的になっていることである.研修医のときたいへんお世話になり役に立ったが,今の自分にとっても参考になる所が多々ある.
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