形態診断に役立つ組織化学・分子生物学
―消化管間葉系腫瘍の診断―免疫組織化学染色
原田 徹
1
,
池上 雅博
1
1東京慈恵会医科大学附属病院病理部
キーワード:
消化管間葉系腫瘍
,
GIST
,
免疫組織化学染色
Keyword:
消化管間葉系腫瘍
,
GIST
,
免疫組織化学染色
pp.1551-1561
発行日 2011年9月25日
Published Date 2011/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102365
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はじめに
食道・胃・小腸・大腸から成る消化管に発生する間葉系腫瘍には様々な腫瘍が含まれるが,一般的には粘膜下腫瘍としての肉眼形態を呈してくることが多い.WHOの組織型分類によると,部位により多少の差はあるにせよ,平滑筋性腫瘍(leiomyoma,leiomyosarcoma),神経性腫瘍(schwannoma,neurofibroma),GIST(gastrointestinal stromal tumor),Kaposi肉腫,グロームス腫瘍,顆粒細胞腫,脂肪腫,悪性黒色腫,血管肉腫などが挙げられている1).組織形態診断上は,紡錘形細胞腫瘍,円形細胞腫瘍,多型細胞腫瘍に大きく分けられる.このうち最も遭遇する機会が多いのは紡錘形細胞腫瘍であろう.今回は紡錘形細胞腫瘍の頻度の高い疾患を中心に,免疫組織化学染色も含めて疾患を提示していく.
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