形態診断に役立つ組織化学・分子生物学
―悪性リンパ腫の診断―免疫組織化学染色(2):リンパ球・組織球・造血器腫瘍の鑑別
大島 孝一
1
1久留米大学医学部病理学教室
キーワード:
悪性リンパ腫
,
免疫組織化学染色
,
T/NK細胞
,
B細胞
Keyword:
悪性リンパ腫
,
免疫組織化学染色
,
T/NK細胞
,
B細胞
pp.406-409
発行日 2010年3月25日
Published Date 2010/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101876
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はじめに
今回はリンパ球・組織球・造血器腫瘍の鑑別について解説する.
血液細胞(リンパ球,赤芽球,顆粒球,マクロファージ,血小板)は,すべて骨髄の幹細胞に由来する.幹細胞が分化していくとその機能により,形態および抗原性が異なってくる(Fig. 1)1)2).Fig. 1のように分化に従い抗原の変化がみられる.これらの多くの抗原は,単離細胞浮遊液を用いたフローサイトメトリー(flow cytometry ; FCM)による検索が中心である.しかしながら,病理検索ではパラフィン包埋標本が主体である.今回は血液細胞について簡単に解説する.資料として,Table 1にパラフィン材料でも染色可能な血液細胞関連抗体を示す.
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