特集 消化管内視鏡治療2006
コラム
経皮内視鏡的腸瘻
宇野 良治
1
1日鋼記念病院消化器センター
pp.702
発行日 2006年4月24日
Published Date 2006/4/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100354
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経皮内視鏡的腸瘻造設には,空腸から経管栄養を行うための空腸瘻造設(jejunostomy)と大腸の減圧や順行性浣腸を行うための結腸瘻造設(colostomy)がある.
内視鏡的空腸瘻造設法には経皮内視鏡的胃瘻造設(PEG ; percutaneous endoscopic gastrostomy)と同様に空腸に直接チューブを挿入するDPEJ(direct percutaneous endoscopic jejunostomy)がある.また,空腸からの栄養方法にはPEGの瘻孔から長いチューブを空腸に留置するPEG-J(percutaneous endoscopic gastrostomy with jejunal extension)がある(Fig. 1).PEG単独により栄養の逆流による肺炎が予防されたとする研究パワーの強いエビデンスはないが,PEG-JではTreitz靭帯を越えた部位で栄養が投与されるため肺炎の予防が可能になる.欧米の報告1)ではDPEJとPEGの合併症発生率は同等とされている.従来,PEG-Jには煩雑なチューブ留置操作,専用チューブが細く閉塞などの不都合が生じるなどの欠点があったが,筆者は5.9mmの超細経内視鏡を直接PEGから挿入し,同径の経鼻用チューブを用いることによってその欠点を克服している2).
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