特集 消化管内視鏡治療2006
コラム
穿孔させないためのコツ
田村 智
1
1高知大学医学部附属病院光学医療診療部
pp.721-722
発行日 2006年4月24日
Published Date 2006/4/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100358
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大腸内視鏡検査の普及によって,ポリープだけでなく陥凹型腫瘍や側方発育型腫瘍(laterally spreading tumor ; LST)も多く発見されるようになってきたため,内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection ; EMR)は日常診療において,欠かすことのできない手段となっている.本稿では,LSTを対象に,確実で安全なEMRの方法と適応について述べる.
LSTは腫瘍径の大きな病変が多いため,分割EMRとなる場合が多いが,局注とスネアの架け方次第で一括切除が可能となる.腫瘍径から,その一括切除率を検討すると,20mm以下では80%が一括で切除されているが,21mm以上になると逆転し,31mm以上になると約90%が分割切除になっている.以上の結果から,腫瘍径から評価した一括切除可能病変は,20mm以下であるが,局在・肉眼形態や蠕動運動などで好条件下では,40mmくらいまで一括切除可能である.
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