今月の主題 免疫学の理解とその臨床
免疫機能の解説
サイトカインと免疫調節
中野 昌康
1
1自治医科大学微生物学
pp.464-468
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910184
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ポイント
●サイトカインは生体防御・免疫系細胞の分化・成熟・増殖,免疫応答,炎症に関係する(糖)蛋白活性因子で,多数の異なったサイトカインが知られている.
●刺激によりマクロファージ,T細胞,その他種々の細胞より産生され,レセプターのある標的細胞に作用する.
●マクロファージが産生するサイトカインは炎症・生体防御にかかわり合いが深い.
●ヘルパーT細胞はTH0からTH1あるいはTH2へ分化する.TH1の産生するサイトカインは細胞性免疫と,TH2の産生するそれらは抗体産生と関係が深い.
●サイトカイン同士の間で拮抗作用がみられる.TH1の産生するIFNγはTH2のサイトカイン産生を抑制し,逆にTH2の産生するIL-4,IL-10,IL-13はTH1のサイトカイン産生を抑制する.
●サイトカインは生体内で相互に複雑なネットワークを形成し,免疫応答の発現・調節を行っている.
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