絵で見る免疫学 基礎編・23
免疫細胞におけるサイトカイン
高木 淳
1
,
玉井 一
2
,
隈 寛二
3
1ダイナボット(株)器機診断薬事業部
2栄光病院
3隈病院
pp.1354-1355
発行日 2001年11月1日
Published Date 2001/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906045
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サイトカインとは
免疫系細胞には異なる役割を担った多くの細胞がさまざまなシグナルを発信・受信し,互いにコミュニケーションをとりながらその機能の促進と抑制を調節し合っている.このような免疫細胞間のシグナルを低分子蛋白質(分子量6〜60×103)のサイトカイン(cytokine)という.サイトカインを分泌する細胞は,これまで述べてきたT細胞,B細胞,マクロファージなど多くの免疫系細胞で,またこれらが標的細胞である.サイトカインをホルモンと呼ぶこともあるように,ホルモンとサイトカインは厳密に区別できないが,ホルモンは一般的に産生臓器から血液を介して遠くの標的臓器に運ばれて作用を発揮する.一方,サイトカインは局所的であり,産生細胞自体あるいはその周辺の細胞に作用する.ある細胞が産生したサイトカインは標的細胞上の特異的なレセプターに結合してその細胞を増殖,分化,機能発現および細胞死などに導く(図1).
1個のサイトカインの作用は1つでなく複数の作用を持ち,また異なるサイトカインでも同じ作用をすることがある(図2,3).
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