増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
免疫学的検査
自己免疫関連検査
抗TSHレセプター抗体
吉田 正
1
,
市川 陽一
2
1慶應義塾大学医学部内科
2聖マリアンナ医科大学臨床検査医学
pp.621-624
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909964
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
検査の目的・意義
Basedow病や特発性粘液水腫などの自己免疫性甲状腺疾患では,TSH(thyroid stimulating hormone,甲状腺刺激ホルモン)レセプターに対する自己抗体が検出される1,3).それは抗TSHレセプター抗体と呼ばれ,Basedow病に認められる甲状腺刺激型抗体と,特発性粘液水腫や一過性甲状腺機能低下症に認められる甲状腺抑制型抗体がある.
抗TSHレセプター抗体の測定は,自己免疫性甲状腺疾患の診断に加え,Basedow病の治療効果の判定や寛解・再発の指標としても有用である.また,母親由来の抗TSHレセプター抗体により発症する新生児Basedow病や,一過性甲状腺機能低下症の発症を予測することも可能である.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.