増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
脂質・リポ蛋白
RLP(リポZ)
田中 明
1
1東京医科歯科大学医学部第3内科
pp.200-201
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909805
- 有料閲覧
- 文献概要
検査の目的・意義
カイロミクロンおよびVLDLの代謝産物をレムナントという.マクロファージは容易にレムナントを取り込み,泡沫化し,動脈硬化巣を形成するため,高レムナント血症は高コレステロール血症(高LDL血症)とともに動脈硬化を惹起する脂質代謝異常として知られている.わが国は血清コレステロール高値を伴わない心筋梗塞が多く,この場合はレムナントの影響が大きいと考えられる.しかし,従来,レムナントの分離・測定が困難であったため,レムナントの意義が軽視されがちであった.RLPはremnant-like particles(レムナント様リポ蛋白)の略で,このレムナント量を反映し,簡便な操作で分離・測定が可能となった.RLPはリポZともいう.
RLPは,アポB48とオーバーラップしないアポB100のアミノ酸領域を特異的に認識する抗アポB100モノクローナル抗体と,アポA-Iを認識する抗アポA-Iモノクローナル抗体の血清中非結合分画のリポ蛋白である.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.