増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
糖質および関連物質
糖質転送蛋白
増田 一裕
1
,
清野 裕
1
1京都大学医学部臨床代謝栄養学
pp.168-169
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909794
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生体にとって必須のブドウ糖(糖質)は非極性分子であり,脂質二重層からなる細胞膜は容易に透過できない.細胞膜での糖輸送機構は,糖輸送担体と呼称される疎水性の高い糖蛋白質を介するものである.これには能動輸送に関わるNa+/ブドウ糖共輸送担体と,促通拡散型糖輸送担体の2種類が存在する.両者の間にアミノ酸配列の類似性はなく,後者はあらゆる細胞に発現しているが,ヒトでは少なくとも5種類(GLUT 1〜GLUT 5)が存在し,1つのファミリーを形成している(表1).このうちGLUT 5はブドウ糖も輸送できるが,空腸刷子縁膜上ではフルクトース輸送担体として機能していると考えられている.
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