増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
蛋白
α2-マクログロブリン
伊藤 喜久
1
1自治医科大学臨床病理
pp.18-19
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909737
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α2-マクログロブリン(α2-M)は,分子量約80万ダルトン,糖含量6〜7%の蛋白質で,肝細胞,単球-マクロファージ系細胞,星状グリア細胞など 全身の種々の細胞で産生されている.α2-Mの機能はトリプシン,アンチキモトリプシン,エラスターゼ,トロンビンなどの蛋白分解酵素と結合して複合体を形成し,血中から短時間のうちに除去することにより酵素機能の不活性化に作用する.また,ホルモン,インターロイキン-6などとも結合,その機能を調節する役割も担う(図1).α2-Mはラットなどの動物種では急性相反応物質で,組織の破壊,感染症などでは短時間に濃度の増加がみられるが,このような変化はヒトではほとんど認められない.
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