今月の主題 消化器診療のcontroversy
腸疾患
炎症性腸疾患の新しい治療薬は有用か?
日比 紀文
1
,
丹羽 博美
1
,
金井 隆典
1
,
岩男 泰
1
,
渡辺 憲明
1
,
土屋 雅春
1
1慶応義塾大学医学部・消化器内科
pp.230-232
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909477
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非特異性炎症性腸疾患には潰瘍性大腸炎とクローン病などが含まれ,ともに未だ原因不明の腸疾患である.潰瘍性大腸炎は大腸粘膜がその炎症の場であり,クローン病は消化管(主として小腸と大腸)の全層性の炎症を特徴とする.
両疾患ともに,さまざまな全身性合併症や免疫学的異常も認められており,内科的治療は腸局所だけにとらわれず,全身的な異常を是正すべく心がけるべきである.サラゾピリンや副腎皮質ホルモンの投与は最近の日常診療においても一般的になってきているが,本稿では,それ以外の治療法とその有用性についてわれわれの経験も含めて述べる.
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