今月の主題 消化器診療のcontroversy
腸疾患
炎症性腸疾患におけるsurveillance colonoscooyはどのように行うか?
鈴木 公孝
1
,
武藤 徹一郎
1
,
斉藤 幸夫
1
,
森岡 恭彦
1
1東京大学医学部第1外科
pp.234-235
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909478
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炎症性腸疾患,とりわけ潰瘍性大腸炎(以下,UCと略)に癌合併のリスクのあることはよく知られている.クローン病においても報告はなされているが,その取り扱い方に対する見解の一致はUCほどに得られていない.そこで今回はUCに限って,surveillanceの意義,あり方,問題点について述べてみたい.
UCにおける癌合併については,1925年CrohnとRosenbergによって始めて記述された.その後の研究で,罹患範囲,罹病期間の2つがrisk factorとされた.Dobbins1)の集計によれば,UC 6.190例中,癌合併例は226例(3.6%)であり,罹患範囲別では全大腸炎6.3%,左側大腸炎1.0%であったという。罹病期間では,10年以上経過した症例は,10年未満の症例より癌合併のリスクが高い.
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