今月の主題 消化器診療のcontroversy
胃・十二指腸疾患
早期胃癌は非手術的に治療可能か?
比企 能樹
1
,
嶋尾 仁
1
1北里大学東病院・消化器疾患治療センター
pp.222-224
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909474
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●診断法・治療法の概説
内視鏡的に,早期胃癌で,粘膜内癌・大きさが1.5cm以内,隆起性病変あるいは陥凹性病変で,潰瘍(瘢痕を含む)を伴わないものであることを診断することが第一段階として必要である.そのための手段としては,通常内視鏡,精査用X線診断に加えて,色素内視鏡などにより診断を行っている.さらには電子内視鏡(拡大像による微細粘膜病変の観察)や,超音波内視鏡などの新しい技術による診断の手段を行うことにより,万全を期す努力がなされている.
非手術的治療法としての内視鏡を用いた治療法には,1)組織を回収できる方法として,粘膜切除法(ストリップバイオプシー)がある.この方法は粘膜下に食塩水を注入することにより,病変を浮き上がらせて十分な範囲を切除することが原理である.
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