綜説—今月の臨床
早期胃癌治療におけるcontroversy—手術的治療と非手術的治療
小林 伸行
1
,
嶋尾 仁
1
,
比企 能樹
1
Nobuyuki KOBAYASHI
1
1北里大学東病院消化器疾患治療センター外科
pp.589-594
発行日 1994年5月20日
Published Date 1994/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901541
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Ⅰ.はじめに
現在,消化管領域における非手術的治療としては,食道・胃・大腸の早期癌に対する治療がトピックとなっている.その手段としては,内視鏡的粘膜切除法やレーザーなどの内視鏡下治療に加え,腹腔鏡下の胃癌・大腸癌の局所切除や,胸腔鏡下食道抜去術なども行われるようになってきた.
腹腔鏡や胸腔鏡下などの体腔鏡下の治療も,やはり全身麻酔を要する手術ではあるが,scopeを使用し,手術に比べ侵襲が少ない,などの点から広義の非手術的治療といえる.しかし,この方法による治療症例は歴史も浅く,手術的治療と比較検討するには,まだ症例数や経過追跡が不十分である.再発や予後などの根治性,安全性などについての検討は,むしろこれからの問題となる.
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