症例によるリハ医療—内科医のために・5
嚥下障害のリハビリテーション
林 拓男
1
,
丸山 典良
2
,
吉田 茂
3
1公立みつぎ総合病院リハ科
2公立みつぎ総合病院内科
3公立みつぎ総合病院耳鼻咽喉科
pp.1651-1655
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909416
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当院は総合リハビリテーション(以下,リハ)承認施設を持つ地域の中核的総合病院である.脳卒中患者に対しては,急性期から維持期(在宅)まで一貫したリハを行っているが,比較的高齢患者が多いことから,病巣が片側大脳半球であっても嚥下障害が遷延する例が少なくない.従来,嚥下障害に対しては,各病棟で看護婦がそれぞれの経験に基づいて対応していたが,誤嚥性肺炎を繰り返すと,客観的評価が不十分なまま経管栄養を継続することも少なくなかった.そこで嚥下障害に対するリハ科としての系統的対応の必要性を痛感し,videofluorography(以下,VF検査)を平成7年2月より開始,また言語療法士(以下,ST)を中心に,耳鼻科医師,歯科医師,歯科衛生士,看護婦,理学療法士(以下,PT),作業療法士(以下OT),栄養士が参加する勉強会を始め現在に至っている.本稿では,脳幹型の仮性球麻痺の一症例を通して,摂食・嚥下障害への当院の取り組みの経過と現状を報告する.
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