増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
骨・軟部
総論
読影の基本とポイント
八代 直文
1
1亀田総合病院放射線科
pp.347
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908412
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整形外科などの骨・軟部の専門医を除けば,骨・軟部組織の異常が全身疾患の一部として表現される場合のほかは,読者が筋肉疾患,関節疾患などを診療する機会は少ないかもしれない.しかし,MRIの普及で関節,軟部組織の画像を目にする機会は増えているはずである.ふだん見る機会の少ない分野こそ正常解剖の知識が重要である.骨・軟部の画像に接するたびに本書を参照して基本的な知識をリフレッシュしていただきたいと思う.
総論では,筋肉を中心に軟部組織の正常解剖を図示し,各論では関節疾患を中心に記述していただいた.関節疾患に対する画像診断の主役はMRIである.関節のMRIは,T1強調画像,T2強調画像の双方で筋肉.靱帯は低信号,骨皮質は無信号であるのに対し,軟骨は中間的な信号強度,骨髄脂肪は高信号を呈する.炎症,腫瘍などの病変部は一般にT2高信号を呈するようになり,T2強調像で鋭敏に描出できる.また,骨髄への腫瘍浸潤,炎症波及などは,正常では高信号の骨髄を置換するように拡がるため,T1強調像でよく描出できる.脂肪抑制撮像が有効なことも多い.
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