増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
胸部
総論
読影の基本とポイント
八代 直文
1
1亀田総合病院放射線科
pp.149
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908380
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躯幹部の画像診断のうち,50%以上は1胸部をターゲットとしたものである.肺には含気があり,何らの造影剤を使用することなく,肺の脈管構造や病変部を描出できるという利点がある.これは胸部の単純X線撮影の有効性を支える根本原理であり,X線CTでも有効に活かすことができる.一方,MRIでは,空気は信号を出さないため,一般に肺の画像は信号が不十分でノイズの多い画像になりやすい.
肺のCTでは,2mm以下の薄いスライス幅で撮影するthin slice CTが有効で,上記の肺の特性を活かして肺の微細構造を描出できる.最近になって普及が進んでいるマルチディテクター型のCT装置では,全肺をthin sliceで撮影することも可能になっているが,一般にはCT装置の能力やフィルム枚数の制限などにより,thin slice CTはターゲットを絞って撮影されることが多い.
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