カラーグラフ 病原微生物を見る・10
Helicobacter pylori
福田 能啓
1
,
坂上 隆
1
,
下山 孝
1
1兵庫医科大学第4内科
pp.1029-1033
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907519
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発見の経緯
胃酸が分泌されるので胃内には細菌は生息しないと考えられていた.オーストラリアのR.Warrenは,胃粘膜の生検組織を顕微鏡で観察しているうちに細菌感染と関連がありそうなことに気がつき,当時,研修医であったB.Marshallに胃粘膜組織を培養するように命じた.
この細菌は通常の細菌とは異なり,2〜3日間の培養期間ではコロニー形成がみられず,なかなか培養に成功しないでいた.B.Marshallは培地を孵卵期のなかに忘れたまま,うっかりイースターの休暇に入ってしまった.ところが,休暇が終わって研究室に戻ってみて初めて,そこにこの菌のコロニーを発見し培養に成功した(1983年).
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