増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
酵素および関連物質
PSTI(膵分泌性トリプシンインヒビター)
小川 道雄
1
1熊本大学医学部第2外科
pp.312-313
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906359
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
膵分泌性トリプシンインヒビター(pancreaticsecretory trypsin inhibitor:PSTI)は,膵臓で合成されて膵液中に分泌されるトリプシンインヒビターである.PSTIは膵臓以外の種々の正常組織や悪性腫瘍組織にも存在し,単に膵臓のトリプシンインヒビターであるだけでなく,急性相反応物質として,広く生体の防御反応に関与している物質であることが明らかにされている1〜3).血中PSTIの測定は,特に急性膵炎や悪性腫瘍の診断に用いられる.病勢をよく反映して敏感に変動するので,重症度や進行度の判定に有用である.
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