増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
酵素および関連物質
膵関連
PSTI(膵分泌性トリプシンインヒビター)
小川 道雄
1
1熊本大学医学部第2外科
pp.109-111
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909771
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検査の目的・意義
膵分泌性トリプシンインヒビター(pancreaticsecretory trypsin inhibitor:PSTI)は膵臓で合成されて膵液中に分泌されるポリペプチドで,膵内で活性化したトリプシンを阻害する作用をもつ物質として発見された1).筆者らは,体液中のPSTIを測定するためのRIA系を確立して臨床的,基礎的研究をすすめ,PSTIが単に膵臓のトリプシン阻害物質であるだけでなく,広く生体の防御反応に関与している物質であることを明らかにした1〜3).
血中PSTIは,①膵疾患の診断,経過観察のよい指標となる,②膵炎以外の生体への種々の侵襲に際して大きく上昇する,③種々の悪性腫瘍患者でも高率に上昇する,という特徴をもつ.
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