増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
酵素および関連物質
ICG排泄試験
山田 雅哉
1
,
井上 和明
1
,
与芝 真
1
1昭和大学藤が丘病院消化器内科
pp.306-307
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906357
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
ICG(indocyanine green)は暗緑色の色素で,静注すると速やかに大半がリポ蛋白と結合し,その90%以上が肝細胞に摂取されて,抱合を受けることなく,そのままの形で胆汁中に排泄される.一定量のICG投与後,経時的に血中の残存量の測定を行う.色素の血中より肝臓への摂取速度が,血中における停滞もしくは消失に影響を及ぼす.すなわち,ICG排泄試験は主として肝細胞の色素摂取機能を表し,肝血流量によって大きく左右されることより,有効肝血流量,肝細胞の色素摂取能,排泄能がわかる.
臨床的には内科的診断としての肝疾患の診断をはじめ,その重症度判定,治癒,予後の判定などに用いられる.また外科的にも手術適応や術式の決定,切除範囲の決定,術後の経過予測など,手術の患者管理面で肝予備能力を定量的に反映する検査法である.
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