特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
血液生化学検査
酵素および関連物質
ICG排泄試験
渡邊 綱正
1
,
山田 雅哉
1
,
与芝 真彰
1
1昭和大学藤が丘病院消化器内科
pp.206-208
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101777
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
ICG(indocyanine green:インドシアニングリーン)は暗緑色の合成色素で,血管内注入後,ほぼ完全に血漿蛋白と結合し(主にリポ蛋白と結合,一部はアルブミンと結合),血中を循環後,肝にのみ選択的に取り込まれる.肝細胞内に取り込まれたICGは,抱合を受けることなく,そのままの形で胆汁中に排泄され,腸管循環をせず,また肝外排泄もなく,腸管に排泄される.一定量のICG投与後,経時的に血中の残存量を測定することにより,①有効肝血流量,②肝細胞の色素摂取・排泄能がわかる.臨床的には肝疾患の診断をはじめ,その重症度判定,治癒,予後の判定などに用いられる.また,外科的にも手術適応や術式の決定,切除範囲の決定など,手術の患者管理面で肝予備能力を定量的に反映する検査法である1).
具体的にはICG排泄試験の指標として血中消失率(K値),および15分停滞率(ICG R15)が用いられる.
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