技術講座 生化学
ICG負荷試験
日下 公代
1
1慶応大学病院中央臨床検査部
pp.27-31
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202944
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インドシアニングリーン(Indocyanine Green;ICG)試験は,プロムサルファイレン(Bromsulphalein;BSP)試験とともに,色素負荷試験といわれ,肝の異物排泄機能を検査する方法である1,2).
BSPは肝以外の組織からも摂取され,血中からの消失は比較的遅く,胆汁中への排泄もICGに比較して低率であり,副作用も報告されていることからしだいにその使用頻度は減少してきている.一方ICGは,静脈に注射すると血中で血清蛋白(ICG低濃度では主にβ-リポプロテイン)と結合し3),全身の血管内に分布して選択的に肝に摂取され,腸肝循環や腎からの排泄もなく,肝から遊離の型で胆汁中に排泄されるため,正確に肝の異物排泄機能を表わすことができる.
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