増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液検査
血球検査
砂糖水試験/Ham試験
佐藤 晶子
1
,
二宮 治彦
1
1筑波大学臨床医学系血液内科
pp.116
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906270
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
正常な赤血球は,細胞膜上に補体制御因子(CD55,CD59)を発現することにより,細胞膜上における補体活性化反応による溶血を抑制している.しかし,発作性夜間ヘモグロビン尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria:PNH)における異常赤血球は,CD55およびCD59が欠損するために,いわゆる補体感受性が亢進している.砂糖水(庶糖水)試験とHam試験は,この補体感受性の亢進した赤血球を検出するための試験である.
砂糖水試験は,イオン強度の低い蔗糖水中では補体が赤血球に結合し溶血しやすくなること(古典的経路)を,Ham試験は,新鮮血清を塩酸で酸性化(pH6.5〜7)することにより補体の副経路が活性化されることを,それぞれ利用した赤血球の補体感受性の検査法である.
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